ユニット概要
Unit
目標
1.主題
1.医療は不確実な状況のなかの科学であることを理解する。
2.情報科学とEBMの総合的な知識と技術を修得し、医療情報の収集・蓄積・評価を実践できる臨床能力・統合力を身につける。
2.到達目標
1.患者にとって必要な情報を整理し、分かりやすい言葉で表現できる。
2.患者や疾患の分析をもとに、教科書・論文等から最新の情報を検索・整理統合し、疾患の理解・診断・治療の深化につなげることができる。
3.医療の質の評価(質の定義、クリニカルパス)を説明できる。
4.科学的根拠に基づいた医療の評価と検証の必要性を説明できる。
5.保健、医療、福祉と介護のチーム連携における医師の役割を説明できる。
3.担当教員の実務経験
4.ねらい(H28コアカリ等対応)
▼ねらい番号を表示
- A-1-2-*-*
- 患者及びその家族の秘密を守り、医師の義務や医療倫理を遵守するとともに、患者の安全を最優先し、常に患者中心の立場に立つ。
- A-9-1-*-*
- キャリアを意識し、生涯にわたり自己研鑽を続ける意欲と態度を有する。
- B-1-1-*-*
- 確率には頻度と信念の度合いの二つがあり、それを用いた統計・推計学の有用性と限界を理解し、確率変数とその分布、統計的推測(推定と検定)の原理と方法を理解する。
- B-1-3-*-*
- 臨床現場での意思決定において、入手可能な最善の医学知見を用い、適切な意思決定を行うための方法を身に付ける。
- B-1-4-*-*
- 保健統計の意義と現状、疫学とその応用、疾病の予防について学ぶ。
- B-1-8-*-*
- 限られた医療資源の有効活用の視点を踏まえ、保健・医療・福祉・介護の制度の内容を学ぶ。
- B-4-1-*-*
- 文化的社会的文脈のなかで人の心と社会の仕組みを理解するための基礎的な知識と考え方及びリベラルアーツを学ぶ。臨床実践に行動科学・社会科学の知見を生かすことができるよう、健康・病い・医療に関する文化人類学・社会学(主に医療人類学・医療社会学)の視点・方法・理論について、理解を深める。
- F-2-1-*-*
- 患者に生じた健康問題を明らかにし、対応を意思決定するために、問題点を予測し、論じることができる。
- F-2-2-*-*
- 臨床現場での意思決定において、入手可能な最善の医学知見を用い、適切な意思決定を行うための方法を身に付ける。
- F-2-3-*-*
- 検査の方法と臨床推論における適応、意義、検査結果の解釈を説明できる。
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5.学修目標(H28コアカリ等対応)
▼コアカリ番号を表示
- A-1-2-*-1
- ①リスボン宣言等に示された患者の基本的権利を説明できる。
- A-1-2-*-2
- ②患者の自己決定権の意義を説明できる。
- A-1-2-*-3
- ③選択肢が多様な場合でも適切に説明を行い患者の価値観を理解して、患者の自己決定を支援する。
- A-9-1-*-1
- ①生涯学習の重要性を説明できる。
- B-1-1-*-1
- ①データの記述と要約(記述統計を含む)ができる。
- B-1-1-*-2
- ②主要な確率分布を説明できる。
- B-1-1-*-3
- ③正規分布の母平均の信頼区間を計算できる。
- B-1-1-*-4
- ④基本的な仮説検定の構造を説明できる。
- B-1-3-*-1
- ①根拠に基づいた医療<EBM>の5つのステップを列挙できる。
- B-1-3-*-2
- ②Patient, population, problem, intervention (exposure), comparison, outcome <PICO (PECO)>を用いた問題の定式化ができる。
- B-1-3-*-3
- ③研究デザイン(観察研究(記述研究、横断研究、症例対照研究、コホート研究)、介入研究(臨床研究、ランダム化比較試験)、システマティックレビュー、メタ分析(メタアナリシス)を概説できる。
- B-1-3-*-4
- ④データベースや二次文献からのエビデンス、診療ガイドラインを検索することができる。
- B-1-3-*-5
- ⑤得られた情報の批判的吟味ができる。
- B-1-3-*-6
- ⑥診療ガイドラインの種類と使用上の注意を列挙できる。
- B-1-3-*-7
- ⑦診療ガイドラインの推奨の強さについて違いを説明できる。
- B-1-4-*-4
- ④疫学とその応用(疫学の概念、疫学指標(リスク比、リスク差、オッズ比)とその比較(年齢調整率、標準化死亡比(standardized mortality ratio <SMR>))、バイアス、交絡)を説明できる。
- B-1-8-*-5
- ⑤医療の質の確保(病院機能評価、国際標準化機構(International Organization for Standardization <ISO>)、医療の質に関する評価指標、患者満足度、患者説明文書、同意書、同意撤回書、クリニカルパス等)を説明できる。
- B-1-8-*-8
- ⑧医療における費用対効果分析を説明できる。
- B-1-8-*-9
- ⑨医療資源と医療サービスの価格形成を説明できる。診療報酬制度を説明でき、同制度に基づいた診療計画を立てることができる。
- B-4-1-*-1
- ①医療人類学や医療社会学等の行動科学・社会科学の基本的な視点・方法・理論を概説できる。
- B-4-1-*-8
- ⑧社会をシステムとして捉えることができる。
- B-4-1-*-11
- ⑪経済的側面や制度的側面をふまえた上で、医療現場の実践を評価できる。
- F-2-1-*-1
- ①問題の同定から治療やマネジメントに至るプロセスを列挙できる。
- F-2-1-*-2
- ②情報収集には医療面接、身体診察、検査の3つの方法があることを説明できる。
- F-2-1-*-3
- ③診断仮説を想起するためには、解剖学、病理学、生理学、生化学等の基礎医学や疾患頻度が重要であることを説明できる。
- F-2-1-*-4
- ④診断仮説を検証するために、診断仮説に基づいた情報収集を実施できる。
- F-2-1-*-5
- ⑤診断過誤の原因とその防止法を説明できる。
- F-2-1-*-7
- ⑦治療やマネジメントに関して意思決定するために、患者側と情報共有や摺り合わせをすることができる。
- F-2-2-*-1
- ①根拠に基づいた医療<EBM>の5つのステップを列挙できる。
- F-2-2-*-2
- ②現場で遭遇した臨床上の問題に関し、PICO (PECO)を用いた問題の定式化ができる。
- F-2-2-*-3
- ③研究デザイン(観察研究(記述研究、横断研究、症例対照研究、コホート研究)、介入研究(臨床研究、ランダム化比較試験)、システマティックレビュー、メタ分析(メタアナリシス)を概説できる。
- F-2-2-*-4
- ④データベースや二次文献からのエビデンス、診療ガイドラインを検索することができる。
- F-2-2-*-5
- ⑤得られた情報の批判的吟味ができる。
- F-2-2-*-6
- ⑥診療ガイドラインの種類と使用上の注意を列挙できる。
- F-2-2-*-7
- ⑦診療ガイドラインの推奨の強さについて違いを述べることができる。
- F-2-3-*-4
- ④臨床検査の特性(感度、特異度、偽陽性、偽陰性、検査前確率(事前確率)・検査後確率(事後確率)、尤度比、receiver operating characteristic <ROC>曲線)と判定基準(基準値・基準範囲、カットオフ値、パニック値)を説明できる。
- F-3-1-*-1
- ①基本的診療知識に基づき、症例に関する情報を収集・分析できる。
- F-3-1-*-2
- ②得られた情報を基に、その症例の問題点を抽出できる。
- F-3-1-*-3
- ③病歴と身体所見等の情報を統合して、鑑別診断ができる。
- F-3-1-*-4
- ④主要疾患の症例に関して、診断・治療計画を立案できる。
- F-3-4-*-1
- ①臨床疫学的指標(感度・特異度、尤度比等)を考慮して、必要十分な検査を挙げ、症例における検査結果の臨床的意義を解釈できる。
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6.旧一般学習目標(GIO)
▼旧一般学習目標(GIO)を表示
医療は不確実な状況のなかの科学であることを理解し、ベッドサイドにおいて最適な医学判断が出来るようになるために、情報科学とEBMの総合的な知識と技術を修得し、医療情報の収集・蓄積・評価を実践できる臨床能力を身につける。
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方略(LS)
1.ユニット構成
日付昇順で表示
試験
項目 |
年月日曜日時限 |
内容 |
担当者 |
場所 |
コアカリ番号 |
|
2019年11月14日(木) 1・2時限(4年)
|
試験 |
石田博 |
第3講義室 |
|
講義
授業ID |
回 |
年月日曜日時限 |
講義内容 |
担当者 |
場所 |
コアカリ番号 |
k0418821200 |
10 |
2019年11月12日(火) 3・4時限(4年)
|
EBM概論とエビデンス検索・収集(2)
|
石田博 |
第2講義室 |
|
k0418820300 |
9 |
2019年11月12日(火) 1・2時限(4年)
|
EBM概論とエビデンス検索・収集(1)
|
石田博 |
第2講義室 |
A-9-1-*-1,B-1-3-*-1,B-1-3-*-2,B-1-3-*-3,B-1-3-*-4,B-1-3-*-5,B-1-3-*-6,B-1-3-*-7,F-2-2-*-1,F-2-2-*-2,F-2-2-*-3,F-2-2-*-4,F-2-2-*-5,F-2-2-*-6,F-2-2-*-7 |
k0418821000 |
8 |
2019年11月11日(月) 3・4時限(4年)
|
診断プロセスと医学判断学(2)
|
石田博 |
第2講義室 |
A-1-2-*-2,F-2-3-*-4,F-3-1-*-3 |
k0418821100 |
7 |
2019年11月8日(金) 3・4時限(4年)
|
医療統計学の実践的方法
|
赤澤宏平 |
第2講義室 |
B-1-1-*-1,B-1-1-*-2,B-1-1-*-3,B-1-1-*-4,B-1-4-*-4 |
k0418820400 |
6 |
2019年11月8日(金) 1・2時限(4年)
|
医療統計学の理論的背景
|
赤澤宏平 |
第2講義室 |
B-1-4-*-4 |
k0418820600 |
5 |
2019年11月6日(水) 3・4時限(4年)
|
医療の質と経済性の評価
|
猪飼宏 |
第2講義室 |
B-1-8-*-8,B-1-8-*-9,B-4-1-*-1,B-4-1-*-8,B-4-1-*-11,F-3-1-*-4 |
k0418820700 |
4 |
2019年11月1日(金) 3・4時限(4年)
|
健康アウトカム評価(2)
|
下妻晃二郎 |
第2講義室 |
A-1-2-*-1,A-1-2-*-2,B-1-8-*-5 |
k0418820500 |
3 |
2019年11月1日(金) 1・2時限(4年)
|
健康アウトカム評価(1)
|
下妻晃二郎 |
第2講義室 |
A-1-2-*-1,A-1-2-*-2,B-1-8-*-5 |
k0418820200 |
2 |
2019年10月30日(水) 3・4時限(4年)
|
診断プロセスと医学判断学(1)
|
石田博 |
第2講義室 |
A-1-2-*-2,F-2-1-*-1,F-2-1-*-2,F-2-1-*-3,F-2-1-*-4,F-2-3-*-4,F-3-1-*-1,F-3-1-*-2,F-3-1-*-3,F-3-4-*-1 |
k0418820100 |
1 |
2019年10月30日(水) 1・2時限(4年)
|
医療情報判断学概論
|
石田博 |
第2講義室 |
A-1-2-*-3,F-2-1-*-1,F-2-1-*-5,F-2-1-*-7,F-3-1-*-1 |
2.テキスト
必要度 |
書名 |
著者・監修者・訳者 |
出版社 |
出版年 |
本体価格 |
2 |
Medical Decision Making |
Harold C. Sox 他著 |
Butterworth-Heinemann Medical |
2013 |
6501 |
3 |
EBMのためのデータ統合型研究―メタ分析、決断分析、費用効果分析の理論と実際 |
Diana B. Petitti (著), 福井 次矢 (翻訳), 青木 則明 (翻訳) |
メディカル・サイエンス・インターナショナル |
1999 |
6930 |
3 |
How to Useクリニカル・エビデンス |
浦島充佳 著 |
医学書院 |
2004 |
2800 |
3 |
エビデンス精神医療―EBPの基礎から臨床まで |
古川壽亮 著 |
医学書院 |
2000 |
6195 |
3 |
医療・ヘルスケアのための決断科学―エビデンスと価値判断の統合 |
Myriam Hunink 他著, 福井次矢 他訳 |
医歯薬出版 |
2004 |
9870 |
3 |
臨床のためのQOL評価ハンドブック |
池上直己 他編著 |
医学書院 |
2001 |
2940 |
3 |
臨床決断分析―医療における意思決定理論 |
Weinstein 他著 |
医歯薬出版 |
1992 |
12233 |
1 必携(授業に必ず持参するもの)
2 推奨(学習する際に読むことを強く勧めるもの)
3 参考(参考書として適切なもの)
3.教育方法等の特記事項
情報科学の視点から医療におけるを用いた臨床推論,情報の評価,判断の能力,また,EBMの観点から臨床医学における知見の創成に必要となる統計手法の活用,さらに,提供される医療の客観的な評価を行える能力を培うことを目的に,事例(シナリオ)をもとに「各自が考える」ことを目標とした座学での授業を行う。
評価方法
ユニット最終日に,ユニット全内容についての筆記試験を行う。ユニット進行中にもレポートが課されることがある。成績評価は,これらの試験やレポート,授業への参加態度を総合的に判断する。欠席理由があり出席回数が規定に満たない場合には,別途,レポートを課す。
注意点(再試等)
行う。