ユニット概要
Unit
目標
1.主題
1.疾病の病因及び病態を遺伝子レベルで理解する。
2.遺伝情報の伝達の仕組みとその異常による疾患発症のメカニズム、診断,治療への応用法を修得する。
3.遺伝性疾患に関する倫理的配慮の必要性について理解する。
2.到達目標
1.遺伝子の構造、発現調節とその異常の概略について説明ができる。
2.遺伝子変異と表現系について説明できる。
3.遺伝因子と環境の相互作用について概略が説明できる。
4.代表的な遺伝性疾患の病態を説明できる。
5.代表的な遺伝性疾患の診断・治療法について説明できる。
6.体細胞遺伝子変異による疾患の診断・治療法について説明できる。
7.遺伝カウンセリングの基本理念と実施に必要な基礎知識について説明できる。
3.担当教員の実務経験
4.ねらい(具体的な能力)【R4コアカリ等対応】
▼ねらい(具体的な能力)番号を表示
- GE-1-2-*-*
- GE-01-02: 生物・心理・社会的な問題への包括的な視点
- GE-1-3-*-*
- GE-01-03: 患者中心の医療
- PS-1-1-*-*
- PS-01-01: 生命現象の科学
- PS-1-4-*-*
- PS-01-04: 病因と病態
- PS-2-2-*-*
- PS-02-02: 血液・造血器・リンパ系(表 2-1)
- PS-2-3-*-*
- PS-02-03: 神経系(表 2-2)
- PS-2-6-*-*
- PS-02-06: 循環器系(表 2-5)
- PS-2-11-*-*
- PS-02-11: 妊娠と分娩(表 2-10)
- PS-2-12-*-*
- PS-02-12: 小児(表 2-11)
- PS-3-1-*-*
- PS-03-01: 遺伝医療・ゲノム医療
- PS-3-2-*-*
- PS-03-02: 免疫・アレルギー(表 2-17)
- CS-2-3-*-*
- CS-02-03: 検査(計画、分析評価)主要な臨床・画像検査:血算、生化学検査、凝固・線溶検査免疫血清学検査、尿検査、便検査、血液型(ABO、RhD)検査、血液交差適合(クロスマッチ)試験、不規則抗体検査、動脈血ガス分析、妊娠反応検査、細菌学検査(細菌学検査(細菌の塗抹、培養、同定、薬剤感受性試験)、脳脊髄液、胸水検査、腹水検査、病理組織検査や細胞診検査(術中迅速診断を含む)、遺伝子関連・染色体検査、心電図、呼吸機能検査、内分泌・代謝機能検査、脳波検査、超音波検査、エックス線撮影、CT検査、MRI検査、核医学検査、内視鏡検査
- CM-1-1-*-*
- CM-01-01: 患者・家族への適切なコミュニケーションスキルの活用
- CM-1-2-*-*
- CM-01-02: 患者の立場の尊重と苦痛への配慮
- CM-2-1-*-*
- CM-02-01: 患者へのわかりやすい言葉の説明
- CM-2-3-*-*
- CM-02-03: 患者の意思決定の支援
- CM-3-1-*-*
- CM-03-01: 患者・家族の課題の把握と必要な情報の取得
▲ねらい(具体的な能力)番号を閉じる
5.学修目標【R4コアカリ等対応】
▼コアカリ番号を表示
- GE-01-02-01
- 身体・心理・社会の問題を統合したアプローチを理解している。
- GE-01-02-02
- 個人・家族の双方への影響を踏まえたアプローチを理解している。
- GE-01-03-02
- 患者の社会的背景(経済的・制度的側面等)が病いに及ぼす影響を理解している。
- PS-01-01-11
- ゲノム編集技術とその応用について概要を理解している。
- PS-01-04-02
- 単一遺伝子疾患、染色体異常による疾患、ミトコンドリア遺伝子の変異による疾患を挙げ、遺伝様式を含め理解している。
- PS-01-04-04
- 薬剤の有効性や安全性とゲノムの多様性との関係について概要を理解している。
- PS-02-02-03-6
- 血液・造血器・リンパ系で行う検査方法(遺伝子・染色体検査)について基本的事項を理解している。
- PS-02-02-05-2
- 血液・造血器・リンパ系の疾患・病態(出血傾向:脾機能亢進症、免疫性血小板減少症(ITP)、血友病、播種性血管内凝固(DIC)、溶血性尿毒症症候群(HUS)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、ビタミンK欠乏症)について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。
- PS-02-03-05-4
- 神経系の疾患・病態(末梢神経・神経筋接合部・筋疾患:栄養障害性ニューロパチー、中毒性ニューロパチー、遺伝性ニューロパチー、Guillain-Barré 症候群、顔面神経麻痺(Bell 麻痺、Ramsay Hunt 症候群を含む)、反回神経麻痺、主な神経痛(三叉神経痛・坐骨神経痛)、重症筋無力症、進行性筋ジストロフィー、周期性四肢麻痺)について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。
- PS-02-06-05-5
- 循環器系の疾患・病態(心筋・心膜疾患:特発性心筋症(肥大型・拡張型・拘束型) 、二次性心筋疾患、急性心筋炎、感染性心内膜炎、急性心膜炎、収縮性心膜炎、心タンポナーデ)について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。
- PS-02-06-05-6
- 循環器系の疾患・病態(先天性心疾患:心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、動脈管開存、Fallot 四徴症)について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。
- PS-02-11-03-2
- 妊娠と分娩で行う検査方法(妊娠中の検査(血液検査・出生前遺伝学的検査・羊水検査・分泌物検査・ノンストレステ
スト・超音波検査・超音波ドプラ法・羊水量))について基本的事項を理解している。
- PS-02-12-04-4
- 小児の疾患・病態(循環器疾患:心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、動脈管開存、Fallot 四徴症)について病因、疫学、症候、検査、診断、治療法を理解している。
- PS-03-01-01
- 集団遺伝学の基礎としてハーディ・ワインベルグの法則について概要を理解している。
- PS-03-01-02
- 家系図を作成し、評価できる。
- PS-03-01-03
- 生殖細胞系列変異と体細胞変異の違い、遺伝学的検査の目的と意義について理解している。
- PS-03-01-04
- 遺伝情報の特性(不変性、予見性、共有性、あいまい性)について理解している。
- PS-03-01-05
- 遺伝カウンセリングの意義と方法について理解している。
- PS-03-01-06
- 遺伝医療における倫理的・法的・社会的配慮について理解している。
- PS-03-01-07
- 遺伝医学関連情報にアクセスすることができる。
- PS-03-01-08
- 遺伝情報に基づく治療や予防をはじめとする未発症者を含む患者・家族への適切な対処法について概要を理解している。
- PS-03-02-05-5
- 膠原病、血管炎、リウマチ性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫疾患の疾患・病態(その他:変形性関節症、結晶誘発性関節炎、リウマチ性多発筋痛症、線維筋痛症、IgG4 関連疾患、リウマチ熱、自己炎症性疾患、後天性免疫不全症(AIDS)、原発性免疫不全症、二次性免疫不全症候群(悪性腫瘍・医原性・自己免疫疾患による))について病因、疫学、症候、主な検査・診断、治療法、合併症を理解している。
- CS-02-03-01
- 主要な臨床・画像検査の目的と意義を理解し、診断仮説の検証に最低限必要な検査項目を選択して、結果を解釈できる。
- CS-02-03-07
- 主要な臨床・画像検査の目的と適応を理解し、解釈できる。
- CM-01-01-05
- 相手の話を聞き、事実や自分の意見を相手にわかるように述べることができる。
- CM-01-02-01
- 患者や家族の精神的・身体的・社会的苦痛に十分配慮できる。
- CM-02-01-02
- 患者が理解できるよう、極力専門用語を使わずに、わかりやすく説明できる。
- CM-02-03-01
- 患者の自己決定を阻害する問題点を理解する。
- CM-02-03-03
- 患者の意思決定支援のために、最善のエビデンスをできるだけ専門用語を使わずに、わかりやすく説明することができる。
- CM-03-01-01
- 患者の心理的及び社会的背景や自立した生活を送るためのニーズを把握することができる。
- CM-03-01-02
- 患者が抱える課題、問題点を抽出・整理できる。
- Y-11-3-*-1
- 1)染色体検査法や遺伝子検査法を例示して説明できる。
- Y-11-3-*-2
- 2)X染色体の不活化、ゲノム刷り込みについて説明できる。
- Y-11-3-*-3
- 3)染色体異常による疾患の中で主なものを挙げ、概説できる。
- Y-11-3-*-6
- 6)トリプレットリピート病について神経変性疾患を例として説明できる。
- Y-11-3-*-7
- 7)アルツハイマー病や筋ジストロフィーの遺伝子異常を挙げ、病態を説明できる。
- Y-11-3-*-11
- 11)個体の発達異常における遺伝因子と環境因子の関係を概説できる。
- Y-11-3-*-12
- 12)出生前診断の方法と適応を説明できる。
- Y-11-3-*-13
- 13)出生前診断と生命倫理について説明できる。
- Y-11-3-*-16
- 16)遺伝子診断や遺伝子治療の倫理的問題点について説明できる。
▲コアカリ番号を閉じる
方略(LS)
1.ユニット構成
日付昇順で表示
試験
項目 |
年月日曜日時限 |
内容 |
担当者 |
場所 |
コアカリ番号 |
|
2024年6月3日(月) 1・2時限(3年)
|
筆記試験 |
田口昭彦 |
第3講義室 |
|
講義
授業ID |
回 |
年月日曜日時限 |
講義内容 |
担当者 |
場所 |
コアカリ番号 |
k0411521000 |
8 |
2024年5月30日(木) 3・4時限(3年)
|
クロノメタボリズムから理解する生活習慣病
|
田口昭彦 |
第5講義室 |
|
k0411520600 |
7 |
2024年5月30日(木) 1・2時限(3年)
|
ゲノム医学の進展と臨床医学への応用
|
井ノ上逸朗 |
第5講義室 |
PS-01-01-11,PS-01-04-04,PS-03-01-07,PS-03-01-08,PS-02-06-05-5,PS-02-06-05-6,PS-02-12-04-4 |
k0411520900 |
6 |
2024年5月28日(火) 3・4時限(3年)
|
遺伝カウンセリング
|
末廣寛 |
第5講義室 |
CM-01-01-05,CM-01-02-01,CM-02-01-02,CM-02-03-01,CM-02-03-03,CM-03-01-01,CM-03-01-02,CS-02-03-01,CS-02-03-07,GE-01-02-01,GE-01-02-02,GE-01-03-02,PS-03-01-02,PS-03-01-03,PS-03-01-05,PS-03-01-06,PS-02-02-03-6,Y-11-3-*-16 |
k0411520300 |
5 |
2024年5月28日(火) 1・2時限(3年)
|
新生児・小児の遺伝学と疾患
|
髙橋一雅 |
第5講義室 |
PS-02-02-05-2,PS-02-03-05-4,PS-03-02-05-5 |
k0411520200 |
4 |
2024年5月23日(木) 3・4時限(3年)
|
遺伝子産物の発現と機能から見た遺伝子病
|
中井彰 |
第5講義室 |
PS-03-01-01,PS-03-01-04 |
k0411520100 |
3 |
2024年5月23日(木) 1・2時限(3年)
|
染色体の成り立ちとその異常
|
中井彰 |
第5講義室 |
PS-01-04-02,PS-03-01-03,Y-11-3-*-1,Y-11-3-*-2,Y-11-3-*-3 |
k0411520700 |
2 |
2024年5月22日(水) 1・2時限(3年)
|
生殖領域における遺伝子医学
|
佐世正勝 |
第5講義室 |
PS-02-11-03-2,Y-11-3-*-11,Y-11-3-*-12,Y-11-3-*-13 |
k0411520400 |
1 |
2024年5月20日(月) 5・6時限(3年)
|
神経内科領域における遺伝子医学
|
中森雅之 |
第5講義室 |
PS-01-04-02,PS-02-03-05-4,Y-11-3-*-6,Y-11-3-*-7 |
2.テキスト
必要度 |
書名 |
著者・監修者・訳者 |
出版社 |
出版年 |
本体価格 |
2 |
ヒトの分子遺伝学 (第4版) |
村松正實 他監訳 |
メディカル・サイエンス・インターナショナル |
2011 |
12600 |
3 |
ゲノムサイエンスのための 遺伝子科学入門 |
赤坂甲治 |
裳華房 |
2002 |
3150 |
3 |
一目でわかる臨床遺伝学 (第2版) |
古関明彦 監訳 |
MEDSI |
2014 |
2940 |
3 |
周産期遺伝相談 |
神崎秀陽,玉置知子 |
医学書院 |
2000 |
6300 |
3 |
糖尿病と遺伝子 ≪糖尿病カレントライブラリー 4≫ |
堀川幸男 編 |
文光堂 |
2005 |
8400 |
3 |
脳神経疾患 病態の分子生物学 |
澤明 編 |
南山堂 |
2005 |
5670 |
3 |
臨床遺伝子医学ガイダンス─分子医学へのアプローチ |
小澤敬也 他編著 |
南山堂 |
2000 |
5460 |
3 |
遺伝カウンセリングマニュアル(改訂第3版) |
福島義光 編 |
南江堂 |
2016 |
3990 |
3 |
遺伝子医療─基礎から応用へ |
斉藤秀彦, 吉田純 編 |
名古屋大学出版会 |
2000 |
6825 |
3 |
遺伝子(第8版) |
菊池韶彦, 榊佳之 他訳 |
東京化学同人 |
2006 |
10500 |
3 |
遺伝学キーノート |
P.C.ウインター 著, 東江昭夫 他訳 |
シュプリンガー・フェアラーク東京 |
2003 |
3990 |
1 必携(授業に必ず持参するもの)
2 推奨(学習する際に読むことを強く勧めるもの)
3 参考(参考書として適切なもの)
3.教育方法等の特記事項
特記すべきことなし。
評価方法
ユニット最終日に,ユニット全内容についての筆記試験を行う。ユニット進行中にも適宜小テストやレポートが課されることがある。成績評価は,これらの試験やレポート,授業への参加態度を総合的に判断する。
注意点(再試等)
ユニット責任者の判断により,再試を行う場合がある。