3つのポリシー等
Policy
目 次 Ⅷ.強みや特色などの役割(山口大学医学系分野 ミッションの再定義) |
Ⅰ.医学教育分野別評価(令和2年7月認定)
山口大学医学部医学科では、日本医学教育評価機構(JACME)による医学教育分野別評価(2019年10月28日~11月1日実地調査)を受審した結果、評価基準に適合していることが認定されました。
この認定により、本学の医学教育の質が国際基準に適合していることが示されました。また、本学医学部医学科の卒業生は米国医師国家試験 (USMLE) 受験資格審査試験を受験することができます。
Ⅱ.山口大学医学部の沿革
昭和19年4月、宇部市下宮地の地に山口県立医学専門学校が設立された。戦勢の悪化(数多い傷病者の治療の必要)が背景にあった。入学生徒120人、非常勤を含む教官約30名という小さな組織での出発であった。敗戦後医専の多くは廃止か統合されたが、教官・職員・生徒たちの熱心な運動が実って昭和22年6月山口県立医科大学(旧制)設置認可と同時に予科を開設、昭和24年4月山口県立医科大学学部を設置した。昭和26年3月山口県立医科大学予科及び山口県立医学専門学校は廃止となった。昭和27年4月学制改革により山口県立医科大学(新制)として認可された。昭和39年4月に国立移管し、山口大学医学部が創設された。昭和42年6月には山口大学医学部附属病院が開設された。山口大学医学部医学科、保健学科、医学部附属病院及び大学院医学系研究科の沿革は以下のとおり。
Ⅲ.山口大学医学部の目的(山口大学医学部規則第1条の2)
本学部は、医学・医療の専門的知識及び技術の教授並びに豊かな人間性を涵養する教育を行い、人類の健康の増進に資する研究を推進し、社会・時代のニーズに応える高度な知識及び技量を「発見し」、「はぐくみ」、「かたちにする」人材を育成することを目的とする。
Ⅳ.山口大学医学部医学科の理念・目的,目標
理念・目的
- 医学・医療の専門知識と技術を教授し、豊かな人間性を涵養する。
- 医学・医療の変化、医師の社会的役割の変化への対応能力を育成する。
- 医学・医療の国際化に対応できる能力を育成し、国際的視野に立った医学の発展及び国際交流に努める。
- 医学・医療の知識・技術の発展に積極的に貢献し、創造的な人材を育成する。
目標
- 豊かな人間性と高い倫理性を持った医師、研究者を育成する。
- 問題提起能力及び自己開発能力を育成する。
- 実践的臨床能力と先進的医療への対応能力を育成する。
- 医学・医療分野での実践的英語能力を育成し、国際交流を推進する。
- 知的成果の積極的な公開とその応用を推進する。
- 医学・医療の向上を目指して、地域社会との交流を深める。
Ⅴ.山口大学医学部医学科のアドミッション・ポリシー(AP)
「教育理念」「目標」
医学科では、医学・医療の専門知識と技術を教授し、豊かな人間性を涵養すること、医学・医療の変化,医師の社会的役割の変化への対応能力を育成すること、国際的視野に立って医学の発展及び国際交流に貢献し、国際化に対応できる能力を育成すること、医学・医療の知識や技術の向上に積極的に貢献し、創造的な人材を育成することを理念・目的として、以下のような教育目標を掲げています。
- 豊かな人間性と高い倫理観を持った医師、研究者の育成
- 科学的探究心の育成
- 問題提起能力及び自己開発能力の育成
- 実践的臨床能力及び先進的医療への対応能力の育成
- 国際的視野と医学・医療分野での実践的英語能力の育成
- 地域社会の医学・医療に対する多様な要望に対応できる能力の育成
求める学生像
- 医学を学ぶために必要な基礎学力を身につけた人
- 国際的視野を持って、山口県をはじめとした地域医療と、医学の発展に貢献する意欲のある人
- 倫理観が高く、医師としての職責を理解できる人間性豊かな人
- 目標実現のためにコミュニケーション能力やリーダーシップを発揮できる人
- 知的探究心が旺盛で、生涯にわたる自己研鑽を続ける意欲のある人
- 自ら課題を発見・提起して論理的に思考し、解決への道筋を探究できる人
大学入学までに身につけておくべき教科・科目等
医学科は医学・医療を学ぶために必要な基礎学力を有することを前提に、教育目標を達成するための全人的教育を行っています。そのため、高校教育全科における基礎的な知識・技能を身につけるだけではなく、幅広い教養と道徳性や体力をバランスよく身につけていることが必要です。
大学入学までに身につけておくべき教科等は、少なくとも次のものです。
- 数学は,理系数学(数Ⅰ・数Ⅱ・数Ⅲ・数A・数B)についての知識・技能と数学的思考法
- 理科は,物理・化学・生物の基礎的な知識と科学的な自然観・探究心
- 地理歴史・公民の各科目は、将来、医療人として活躍するために必要な常識的な知識や素養
- 国語、英語の科目は、地域社会や国際的分野において医療人として活躍できるための基礎的なコミュニケーション能力、読解力、思考力
Ⅵ.山口大学医学部医学科のカリキュラム・ポリシー(CP)
山口大学医学部医学科では、ディプロマ・ポリシーに掲げた人材養成のため、共通教育科目及び専門科目を体系的に編成し、教育内容,教育方法及び学修成果の評価について以下の方針を定めます。
1.教育課程・教育内容
- 医学教育モデル・コア・カリキュラムの教育内容を包含した、山口大学独自の統合型カリキュラムによるアウトカム基盤型教育を6年間で行います。
- 1年次では「共通教育科目」及び「専門基礎科目」により学士としての教養と専門基礎知識を身に付けます。2年次から4年次にかけて「専門科目」により医学・医療の専門知識・基礎的技能・態度を身に付ける一方、3年次には自ら研究活動を行い「修学論文」の作成を行います。また、4年次後期後半から6年次に「臨床実習」を履修し、体系的知識と技能を体得します。
- 基盤医学系科目では,主にディプロマ・ポリシーの「知識・理解」「態度・技能・志向性」「科学的探求力」に対応し、医学の基盤となる知識を修得します。本科目には「プロフェッショナリズム」「基礎生物医学」「人体器官医学」「人体システム情報医学」「細胞生物医学」「病態学総論」「社会医学・地域医療」などのコースが含まれます。これらのコース内に含まれる実習・演習等と高度自己修学コース(生命医科学テュートリアル・統合医学テュートリアル・自己開発コース・修学論文テュートリアル等)を通じて創造力を養い、科学的探求力の養成を目指します。
- 展開医学系科目は、臨床系のコース群で、ディプロマ・ポリシーの「知識・理解」「態度・技能・志向性」「総合力・創造力」に対応し、臨床医学に関する基本的知識を修得します。特に、臨床推論・実習入門演習、臨床実習、高年次臨床重点講義は、「総合的診療能力」の養成に対応しています。本科目には「臨床総論」「内臓器官病態学」「感覚器病態学」「神経制御・運動器病態学」「生体統御・造血病態学」「生殖・発達・加齢医学」「診断学総論」「高年次臨床重点講義」などのコースが含まれます。さらに「臨床推論・実習入門演習」や「臨床実習」コースを通じて総合力を養い、総合的診療能力を育成します。
- 高度学術医育成コースでは、学部・大学院の一貫教育を行います。本コースは研究医の養成を目的に設置され、高度学術医育成特別プログラム(SCEAプログラム)と、高度学術医育成一般プログラム(AMRAプログラム)からなります。
2.教育方法・授業改善
- 医学生の主体的学修を推進するため、アクティブ・ラーニングを導入しています。課題探求・解決学修、実践的教育を行い、各段階で学修成果を評価するアウトカム基盤型学修を支援します。
- 1年次から、実地医療の体験を様々な段階で取り入れた実習を行い、医師としての豊かな人間性を涵養します。この教育で医療プロフェッショナリズムと高い倫理感・使命感・責任感を培います。
- 統合型の臓器別コース・ユニット制カリキュラムの講義・実習により医学・医療を学びます。
- 1年次から少人数での自己主導型学修や統合型テュートリアル学修を開始し、課題の発見・提起,情報の収集、知識の応用と科学的・論理的思考による問題解決を学びます。この教育で医療基盤力と総合的診療能力を養います。
- 自己開発コースや課題解決型学修・地域医療体験実習などの体験・研究・発表を通じ、地域社会の医学・医療に対する多様な要望や国際的視野から先進的医療の状況を知ります。この教育でそれらに対応できる科学的探究力と自己開発力、地域・国際対応力を養います。
- 高度学術医育成コース(選択)では、研究医育成を目的に実践的な研究参加を行います。学部・大学院の一貫教育を行うことで、科学的探求力を養成します。
- TOEICを活用し、さらに少人数グループ学修や統合型演習による医学・医療領域の専門英語学修、留学機会を提供することで、国際的視野と実践的英語能力を養います。本教育で医学・医療の国際化に対応できるコミュニケーション能力の向上と国際対応力の育成を図ります。
- 情報処理演習や電子シラバスの利用、充実した情報管理システム(必携コンピュータ)や図書館・病院情報システムなどを活用する演習・実習を行います。本教育では情報化社会で必要不可欠なICT (Information & Communication technology)活用能力を高めます。
- 医療面接などの講義演習、附属病院や地域の様々な医療現場での体験と患者とのふれあい、医療者の一員として行動する診療参加型臨床実習、シミュレーション実習を行います。本教育では、臨床技能を習得するだけでなく、患者や家族と良好な人間形成を築くためのコミュニケーション能力も向上させ、患者中心のチーム医療を安全に行える総合的診療能力を修得します。
- ポートフォリオやログブックの充実を図り、学生の学修行動、学修履歴、学修成果を可視化します。また、必要に応じて個別学生に具体的指導を行い、多様な学生への支援体制を強化します。
- 学生による授業アンケートを授業ごとに実施します。アンケート結果を授業にフィードバックし、継続的に改善を進めます。
3.学修の評価・学修支援
- 試験・実習成果・レポート・成果発表・修学論文・実技試験等に基づき、段階的に学修成果の到達度を評価するアウトカム基盤型教育を行います。
- 自己開発コース・修学論文テュートリアルでは,中間発表会、領域内発表会、自己開発コース発表会、提出された修学論文により科学的探求力を総合的に判断し、学修成果の到達度を公正かつ厳格に評価します。
- 6年間の学修成果は、修得単位に加え、基盤系統一試験・CBT・臨床実習統一試験・卒業統一試験と実技試験のOSCE(卒業時OSCEを含む)により、総合的に評価します。
- 主体的学修を実践させるため、単位取得状況や統一試験等の成績をもとに目標達成が困難な学生を早期に把握します。個別に学生の学修方法などを指導する、特別指導コースを設置して学修コーチによる学修支援を行います。
- 学修成果の可視化及び質保証を図り、各科目とディプロマ・ポリシーの達成度を検討するため、「山口大学医学教育総合電子システム(eYUME)」と「山口大学能力基盤型カリキュラムシステム(YU CoB CuS)」を活用します。
Ⅶ.山口大学医学部医学科のディプロマ・ポリシー(DP)
山口大学医学部医学科は,医学・医療の専門知識と技術を教授し,豊かな人間性を涵養すること、医学・医療の変化,医師の社会的役割の変化への対応能力を育成すること、国際的視野に立って医学の発展及び国際交流に貢献し、国際化に対応できる能力を育成すること,医学・医療の知識や技術の向上に積極的に貢献し、創造的な人材を育成することを理念・目的としています。これらを達成するため,所定の期間在学し、必要単位を修得した上で、次の知識や能力を身に付け、最終試験に合格した学生に「学士(医学)」の学位を授与します。
知識・理解
1.医療基盤力
-
- 医学・医療において基盤となる知識を体系的に身に付け、
その知識体系を文化・社会等の学際分野と関連付けて理解し,医学・医療の変化に対応し、新規課題に応用できます。
2.地域・国際対応力
- 地域の保健・医療・福祉・介護及び行政等との連携を理解し、地域における健康の増進と疾病の予防・治癒に貢献できる基本的な考え方を身に付けています。
- 医療環境や公衆衛生について国際的視野を持ち、人類・医学の歴史・社会・自然に関する知識を広く身に付け、医師の社会的役割の変化や国際化に対応できます。
態度・技能・志向性
3.医療プロフェッショナリズム
- 倫理観:教養を高め、豊かな人間性を涵養し、医師としての社会的責任を自覚して、自己の良心と社会の規範に従って行動し、基礎的な医療倫理問題に対処できます。
- 医師としての職責:多種多様な人間性と生命の尊厳について深い認識を有し、人の命と健康を守る医師としての職責を自覚しています。
- 患者安全:患者及びその家族の秘密を守り、患者の安全を最優先し、患者中心の立場で考えられます。
4.チーム医療力とコミュニケーション能力
- 他者と円滑にコミュニケーションを図り、相互尊重のもとに協調・共働してチーム医療ができます。また、目標実現のためにリーダーシップを発揮できます。
- 医療内容を分かりやすく説明する等、患者やその家族との対話を通じて、良好な人間関係を築くことができます。
- 英語によるコミュニケーション能力を身に付け、情報収集・論述・国際交流ができます。
5.自己開発力
- 医学の修学に積極的に取り組み、生涯にわたり自己研鑽を続ける習慣を身に付け、医学・医療の変化や医師の社会的役割の変化に対応できる自己開発力を身に付けています。
- ICT(Information & Communication technology)活用能力を持ちます。モラルに則り多様な情報を収集・分析して適正に活用する情報リテラシー力を身に付け、的確なプレゼンテーションなどに活用できます。
総合力・創造力
6.科学的探究力
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- 医学・医療の知識や技術の向上に貢献できる創造的な意欲を有します。自ら課題を発見・提起して、
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論理的に思考し、解決への道筋を提案します。成果を文書と口頭で発表できます。
7.総合的診療能力
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-
- 統合された知識・技能・態度に基づき、
-
全身を総合的に診療する実践的能力を修得します。良好な医師患者関係を築けるコミュニケーション能力を有し、患者中心のチーム医療を安全に実践できます。(臨床推論力、基本的診療技能、実践的診療能力、医療安全力が必要)
Ⅷ.強みや特色などの役割(山口大学医学系分野 ミッションの再定義)
○ 山口大学の基本理念等に基づき、知識・技術と豊かな人間性を基盤とし、総合的な診療能力を持った高度専門職業人として地域医療を担う医師や研究者等の養成を行うことにより、医学・医療の発展と次代への継承を積極的に推進する。
○ 肝臓再生療法の開発をはじめとする先進医療の開発など、基礎医学、臨床医学の各領域における研究の実績を活かし、先端的で特色ある研究を推進し、新たな医療技術の開発や医療水準の向上を目指すとともに、次代を担う人材を育成する。特に、社会的に要請が高い基礎医学分野の研究や橋渡し研究、臨床研究が行える人材育成を積極的に行う。
○ 山口県と連携し、県内の地域医療を担う医師の確保及びキャリア形成を一体的に支援し、医師の偏在解消に貢献する。
○ 治験拠点医療機関としての取組実績を活かし、高度で実施に困難を伴う治験等の実施を推進し、日本の医療水準の向上及び日本発のイノベーション創出を目指す。
○ 県内唯一の医育機関及び特定機能病院としての取組や都道府県がん診療連携拠点病院、山口県肝疾患診療連携拠点病院、高度救命救急センター、総合周産期母子医療センター等としての取組を通じて、山口県における地域医療の中核的役割を担う。
Ⅸ.3つのポリシー,学修成果(アウトカム)基盤型教育等導入の変遷
(R2.10.14up)
【定義】
・学修成果基盤型教育:卒業時到達目標から、それを達成するようにカリキュラムを含む教育全体をデザイン、作成、文書化する教育法
・臨床実習のマイルストーン:”臨床実習で医学生として信頼され任される役割(EPA)”、”基本的臨床手技”、”臨床推論(実習で経験した症例や臨床推論を学んだ疾患名を記録)”を自己評価させることで、各学生が最終的な到達点の中でどの程度修得しているかを把握させる
・YU CoB CuS:山口大学能力基盤型カリキュラムシステム(Yamaguchi University Competency-Based Curricular System)の略。ディプロマ・ポリシーとして設定した卒業時に修得しているべき能力に基づき、その各々の能力をどの程度修得しているかを定量的に示すもの。カリキュラムマップに基づき算定する。
Ⅹ.卒前・卒後(臨床研修・大学院)の連携
- 連続した学修成果基盤型(アウトカムベースド)教育の推進(R2.11.11up)
- 使命の連続性について(R1.12.16up)
Ⅺ.過去のポリシー
1.アドミッション・ポリシー
- R5アドミッション・ポリシー
- R4アドミッション・ポリシー
- R3アドミッション・ポリシー
- R2アドミッション・ポリシー
- H31(R1)アドミッション・ポリシー
- H30アドミッション・ポリシー
- H29アドミッション・ポリシー
- H28アドミッション・ポリシー
- H27アドミッション・ポリシー
- H26アドミッション・ポリシー
- H25アドミッション・ポリシー
- H24アドミッション・ポリシー
- H23アドミッション・ポリシー
- H22アドミッション・ポリシー
- H21アドミッション・ポリシー
- H20アドミッション・ポリシー
- H19アドミッション・ポリシー
- H18アドミッション・ポリシー
- H17アドミッション・ポリシー
- H16アドミッション・ポリシー
- H15アドミッション・ポリシー
2.カリキュラム・ポリシー